情報発信コラム:スペースクリエーション アイ

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第21回 スペースクリエーション アイ
筑豊のまちづくりについて

2013年4月
タテヤマアドバンス 九州支店 副支店長  清水 修

昨年秋、大阪より転勤異動となり九州の福岡県にもどってきました。私の生まれは飯塚市であり、位置的には福岡県のほぼ中央にあります。JR筑豊本線が南北に走り、周りが山脈に囲まれた盆地であるため夏冬・昼夜の気温の差がかなりあり、山河の自然がいっぱいのところです。
筑豊は石炭産業が多いに栄えた時代があり、日本の近代化に大きく貢献した歴史があます。 また、筑豊炭田によって、地域の近代化遺産が多く残されています。 当時、五木寛之の小説で「青春の門」が有名となったことを記憶されていると思いますが、その小説の舞台となったところであり、ここに出てくる「ボタ山」は筑豊地区の代表的な象徴であります。「ボタ山」とは石炭の採掘の際に発生する捨石の集積場のことであり、それが円錐状に積もった山のことです。

最近、久しぶりに街に出て商店街を歩いて見ると、30数年前に学生のころ記憶していたイメージと全く違った光景を目にしました。それは商店街全体の約3割〜4割の店舗のシャッターが閉まっており、当時賑わっていたのころの活気が殆ど失われていたことでした。 昭和50年代に施行された、大規模小売店舗法の規制緩和によって、イオン等の大型店の出店が相次ぎ、地元の商店街の大部分が転廃業に追いやられていきました。 今後この街で生活していくためには、現状の市街地を活性化し、魅力あるまちづくりについて考えていかなければなりません。

飯塚市も「まちづくり三法」の主旨に沿って、「人が輝き まちが飛躍する 住みたいまち 住み続けたいまち」を計画の目標にしています。 その取り組みとして、近代化遺産の観光と名物料理を題材に、中心市街地に人を呼び込むことを目的として、大学と連携し学生のアイデアや行動力を生かしたご当地グルメの開発や、大学生による中心商店街でのご当地グルメの実践販売などが実施されています。 ご当地グルメについては、飯塚で長年愛されてきたホルモンを活かしたアイデア料理として誕生した、「飯塚伝説ホルモン」というブランドを作り、もつ鍋や焼肉とはひと味違う 新感覚のホルモン料理として、地元食材を数種類盛り込んだ地産地消メニューが数多く紹介されています。 筑豊には重要文化財や史跡等の観光資源が多くあり、魅力ある街づくりを目指すためには、 現状存在する観光資源をうまく合体させ、内外に広くアピールしていく取り組みが必要と思います。

以前より筑豊には「川筋気質」と言う気質があります。これは、「筑豊のためなら」と言う無償の奉仕の心です。筑豊に住む人々がもっている、そのような温かい人情がある限り、昨今全国各地で展開されている「まちおこし」の広がりがさらに拡大し、全国から筑豊に人々が訪れる日はそう遠くはないと確信したい。


住友忠隈炭鉱のボタ山(飯塚市穂波町)

本町商店街の空き店舗(飯塚市本町)

東町商店街の空き店舗(飯塚市東町)

三井田川鉱業所伊田竪坑櫓(田川市伊田)

三井田川鉱業伊田竪坑1号煙道(田川市伊田)

三井田川鉱業伊田竪坑第一・第二煙突(2本煙突)

地方商店街の疲弊は全国各地から聞こえてくる。特に企業城下町であった商店街は、企業の衰退とともに寂れていくケースがほとんど。これからの地方商店街再生には地域コミュニティー強化が欠かせない。例えば、砂町商店街のように顔が見える生鮮三品や手づくり総菜が充実すると、大手スーパーとは異なる地域生活文化が生まれる。郊外よりも人が集まりやすい街なかでは、趣味や習い事のサークル活動の場づくりも大きな効果がある。地域でのスペースクリエーションには、同時に人と人が繋がるコミュニティーデザインをつくることが求められよう。
(商い創造研究所・松本大地)

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