情報発信コラム:スペースクリエーション アイ

コラムトップへ戻る

第 11回 スペースクリエーション アイ
エンターテインメントの街、ラスベガスでのスペースクリエーション

2012年6月
タテヤマアドバンス 商業施設営業部 宇津木 恵

 北米最大の店舗設備展示会「GlobalShop」を視察しました。この展示会は、店づくりに関連する店舗用品を集めた展示会で、アメリカで年に一度開催されています。今春、記念すべき第20回目がラスベガスで開催されました。
 展示会場は、店舗什器、VMD、建築デザイン、デジタルソリューション、小売向け製品、小売マーケティングの6種類のカテゴリー別にレイアウトされ、店づくり関する製品や情報が広角的に発表されていました。特に、日本では使われないような色使いの演出ツールや防犯用品、低コストで夢のある段ボール素材でできた販促什器が印象的でした。什器は日本の寸法や構造が異なりますが、売り場づくりを演出するためにたくさんの工夫がみられ、LED照明を中に仕込んで明るさを演出したり、柱部分を美しく見せるために綺麗に作りこんだり、グラフィックを使用するなどいろいろな演出方法を見ることが出来ました。
 展示会主催者の発表によると、来場者のうち77%は商談することが目的。来場者は業界関係者に限定され、入場登録は身分証明書の提示を求められる程に厳重です。どちらかと言えば日本の展示会はイベント的な催しであるのに対して、アメリカの展示会は即商談の場であることにビジネス文化の違いを感じました。

 さて、ラスベガスの周辺には来訪者だけではなく、地域住民にも親しまれる商業施設が近隣にたくさん集まっています。
 「Fashion Show」は、全米でも有名な大型ショッピングモールです。百貨店をはじめとした7つの核テナントと、250以上の専門店が入居。施設内の特設ステージでは、ファッションショーが実際に行われることもあります。「ファッション」というコンセプトを軸にした品揃えと、規模と立地の良さで他のモールとは大きく趣が異なっています。
 チェーンストアに目を向けると、立地条件が日本と大きく異なり、集中した地域に数多くのチェーンストアが出店しています。品ぞろえは豊富で、ウォルマートに行けば、生活必需品は何でも揃い、ホームデポではドアやバスタブさえも購入できます。店舗間は隣接しているとはいえ、隣の店舗からはかなりの距離。それぞれの店舗間が離れている分、日本よりも業態の専門化が深耕していました。
 フリーモントエクスペリエンスは、古いエリアの活性化をめざしダウンタウン地区に地元の商工会が団結し、地域の活性化を目指しつくられたアーケード街。全長420mものアーケードにLEDを組み込み、映像と音楽で商店街を活性化しています。

 今回の視察で、成熟しきった市場で地域住民や観光客を集客する為に、スペースクリエーターの様々な工夫を見ることができました。快適に楽しく買物できる店づくりとは何かを考えさせられました。


豪華なホテルの一角に展示会場がある

展示会場入口

展示会場の照明は日本よりも暗め

日本にはない雰囲気の展示ブース

大型ショッピングモールFashion Show

多くの買い物客は車で来店する

フリーモントの商店街アーケード

噴水ショーなどの演出で街を活性化

最近は十八番(おはこ)のカジノも、リーマンショック以降の不景気やマカオやシンガポールの勢いで影が薄らいできたラスベガス。しかし、コンベンションビジネスは世界トップクラスとして健在である。テーマホテルやショッピングモールのスペースクリエーションが充実しているのも、アフターコンベンションの楽しさを売りにしたラスベガスならでは。ただし、即商談の場となるのも、ニューヨークとロサンゼルスは4000kmも離れており、成田とロサンゼルスの半分弱の距離とあっては、このチャンスを逃がすまいという気構えにもなろう。大国アメリカらしいビジネススタイルである。
(商い創造研究所・松本大地)

ページトップへ