情報発信コラム:スペースクリエーション アイ

コラムトップへ戻る

第8回 スペースクリエーション アイ
クオリティとクリエイティブ 中国視察

2012年3月
タテヤマアドバンス 埼玉支店長 政井 康弘

冬晴れのはずだが青空なく空気は澱んでいる。
経済成長を続ける中国は上海を12月に訪問する機会を得た。活気あふれる街並みと中国での物作りの一部をご紹介したい。

上海市内にある日本でもお馴染みの店舗では、クリスマス前でもあり華やかなディスプレイが楽しめる。ウインド面にはオレンジ系の色を多用し暖かさを演出しコーディネイトを提案している。告知においては「JOYFUL PRICE FOR YOU」 よくある安価を前面に打ち出すSALEの文字は無く、快適生活と手頃感を強調しているのは、まさに上海の生活環境が格段に向上している証であろう。ある意味日本以上にブランドイメージを大切にするのは、上海がスピード感のある先端的な都市像を国内外に発信する意図とも感じる。店内でもマネキンを有効的に活用し楽しい売場が、人々を幸せな気分に誘う。
そんなディスプレイや商品陳列に欠かせない什器を見ると、大胆で度肝を抜かれるもののやはり安全性は最優先に考えるべきだろう。

さて、中国は世界の工場と言われるようになり、当社も中国に自社工場を稼働させ8年目になる。これまで協力工場の開発や品質の追求への指導の結果、多様な店舗スタイルに対応した物づくりが可能となってきた。その現場の一部を紹介したい。
協力工場にレトロな大型トラックが到着し、荷台にはコイル状の商品が満載されている。そのコイル状の商品は工場内に運ばれ数ヶ所ある機器に移され積み上げ設置される。コイルは線材だが先端を専用機具に通して反対側より巻き取っていくと、線材の太さが機具を通過する所で絞られ細くなり3φの線材となってピカピカに輝く。
その線材をカットして軸組みの型に入れ溶接すると格子状のメッシュネットが完成する。出来上がった商品は塗装され最終の品質チェック後梱包され、出荷に向け一ヶ所に集約された後、中国国内や他国に輸出されていく。中国であっても物づくりのプロセスと完成度への追求は、当社の不変の生命線である。
当社のスタンダード什器は自社工場の上海立山商業設備有限公司を核工場として、多くのパートナー企業と共にタテヤマブランドが築かれていた。

中国をはじめ海外展開が今後益々増加する流通小売業界であるが、その営業・調達・輸出には当社貿易会社で立山貿易(上海)有限公司が多くの企業のお手伝いをさせて頂いている。
中国でも信頼関係が確実に構築するには、クオリティとクリエイティブどちらも商業空間を創造するのに不可欠と実感した。


日本でもお馴染みの店舗[ユニクロ]

日本でもお馴染みの店舗[GAP]

暖かさを感じるウインドディスプレイ

楽しい仕掛けのコーディネイト提案

大量に積まれたコイル材料

回転台に設置されたコイル材

線材を通し巻きとりながら細くする

線材を型に乗せ溶接する

自動スポット溶接

塗装待ちの仕掛り品

塗装し検査後梱包される

コンテナサイズに纏めて輸出される

上海は中国一の先進都市として、3か月以上の長期滞在者を含む常住人口は2300万人を超え、常にスクラップ&ビルドを続けている。上海は世界の工場から、世界の消費のマーケットへと変わり、日本の小売業の販路拡大が目立ってきた。ファッションは時代を映す鏡であり、社会潮流や時代観を抜きには語れないが、日本の製品や小売業の質やサービスを求める傾向は変わらないようだ。ゆえに日本が築いてきた質の高い店舗空間創造力は、中国市場では大きなビジネスチャンスとなろう。モノと空間づくりにおけるクオリティとクリエイティブの両輪がますます重要になる。
(商い創造研究所・松本大地)

ページトップへ