情報発信コラム:スペースクリエーション アイ

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第7回 スペースクリエーション アイ
米国西部小売店視察〜日常の幸せをつくるトレーダー・ジョーズ物語〜

2012年2月
タテヤマアドバンス 東京第一支店 商業施設営業四課 脇本 薫

お客様が楽しんで買物をする店として定評のある【トレーダー・ジョーズ】へ視察に行ってきました。
店舗の概要としては、面積は約170〜340坪でアイテムは2000〜4000、このうち85%がPB商品となっており、典型的なEDLP店舗。広告は一切打たず社員が作成した手書きのポップや商品紹介のラベルが店内に飾られており、広告を打たないことで経費削減が図られている。唯一フィアレスフライヤーと呼ばれる商品紹介の冊子が年に5回程発行されている。
私企業で売上は公表されていないが、想定売上は2010年度365店で約9000億円。 1坪売上は6,000ドル以上で業界最大効率となっている。
また従業員を大切にする意識が高く、離職率が非常に低いとの事。
1958年設立当初はコンビニエンスストアとして始まり、様々な要望を取り入れた結果現在の店舗形態になっている。
店長を船長(キャプテン)、副店長を一等航海士(ファーストメート)と呼び、従業員はアロハシャツを着て、店内に入ると笑顔で迎えてくれ、店内は海をイメージし、非常に開放的な店舗となっている。
週に10〜15種類の新商品を投入し売れ行きの悪い商品は順次取り除かれ、売れ筋商品のあくなき追求が行われている。特筆すべきは厳選されたPB商品のラベルがナショナルブランドと遜色ないデザインで、特にチョコレートのラベルは好評で、透明の容器で中身が見えることも視覚的に大きく【解りやすい・手に取りやすい・安い】と3拍子揃っている。
アイテムを絞り常に進化させて行く事で商品価値を高め、アメリカと言う多様な人種の味覚にあわせる努力が一部の商品やお菓子を食べてみて日本人の口にも合う商品が多いことに驚きだった。
来店客とのコミュニケーションがさりげなく行われており、お年寄りが会話と買い物を楽しんでされている光景が多く見られた。

今回のアメリカと言う異国の地でトレーダー・ジョーズから考えさせられたことは、店舗は面積や商品量だけではなく、楽しんで買い物ができる空間演出とコミュニティとして確立される店舗をどう作り出すかと言うことだと痛感した。スペースクリエーションとは何であるのか、また何が大切なのかを考える良い機会であった。


上部空間を広げることで導くような動線の確保

市場を連想させる青果平台

海を連想させ開放感を演出

目に優しい手書きのPOP

年5回程発行される新聞のようなフライヤー

様々な味とデザインのヨーグルト

印象度が高いカラフルな牛乳のパッケージ

トレーダー・ジョーズに行くと、「商(ショウ)がショーのなった」と感じさせてくれる。このお店は楽しさだけでなく、顧客満足に繋がるきめ細かさが強みである。レジに人が並べば鐘を鳴らして状況を知らせ、顧客とはフレンドリーな会話の中から潜在ニーズを掴み取り品揃えやサービスの充実を図る。舞台装置のスペースクリエーションはリゾート地か冒険への旅に誘い、まるでゲストとキャストがお店をステージにショーを楽しんでいるかのようだ。食品スーパーの成長には、体の栄養だけでなく、精神の栄養も欠かせないとトレーダー・ジョーズは教示する。
(商い創造研究所・松本大地)

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